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後方羊蹄山*2017.08.15

2017.08.15 21:00|北海道
後方羊蹄山 1,898m


羊蹄自然公園(4時間)→避難小屋(1時間11分)→羊蹄山(1時間)→避難小屋(3時間12分)→羊蹄登山口バス停


行動時間計 (9時間23分)



北海道遠征、5日目。「道の駅真狩フラワーセンター」でアラームに目を覚まして、トイレへ向かう。入るなり細川たかしの演歌が流れ出す、ここ真狩村が細川たかしの地元とのこと。事前に調べていたから良かったが、知らずにトイレに来た方はびっくりするだろう。



登山口がある「羊蹄山自然公園」へ移動。登山者用駐車場の先はキャンプ場で、たくさんのテントが張られていた。





山は雲に隠れている、今日の天気は昼には晴れるはず。ちらほら出発する登山者にあいさつをしつつ、準備を済ませる。綺麗な管理棟には登山届のポストがなく、名簿も置いてなかった。昨日に続いて、車のフロントガラスに見えるよう登山届を置いて5時に出発する。少し歩いた登山口入口に、登山届のポストがあった。





独立峰の後方羊蹄山は、今回の計画の中では一番最後の優先順位だった。とにかくひたすらずっと登る、行程の長さが際立つ山。遠征最後の山でようやく、イチロータイツとタブルストックを身につけて気合いを入れる。



1合目の標識に、山頂までの道のりを思う。





1合目半の標識に、山頂までの果てしない道のりを思う。一瞬、「半」を「羊」と見間違えたけれど。





ガスの中を歩いていると、先が明るくなってきた。予報を信じて、ただ進む。





昨日美味しく頂いた羊が、血となり肉となりこの登りを支えてくれるに違いない。そう思いながら上がっていると、4合目までたどり着いた。雲の上に出たかもしれない。





雲の切れ間に、町が見えた。今日の天気は大丈夫だろう、そう思って父へ登山行程のメールを送る。「件名:羊蹄山に登ります、本文:真狩から、羊蹄登山口に降りてバスの予定です」





もともと羊蹄山は真狩往復で考えていたが、旭岳も十勝岳も往復になってしまった、もう往復だけの行程はたくさんだ。真狩登山口までの交通手段は、事前に調べていた。休憩も取らずに、ただただ進んで7合目。





チシマアザミ





9時頃にようやく9合目まで来た、山頂へ向かわずに小屋へ折れる。決めていたわけではなかったけれど、小屋で少し休みたかった。それほどにこの登りは長くて堪える。





美しくなだらかにおりていく緑と、澄み渡った青空が唐突に現れた。





ヤナギラン





出迎える花々は光を浴びて輝く。ようやく見られた、安堵感に満たされながら花の道を歩く。





緑の中にぽっかりと落とされたように小屋が見えた。





ウメバチソウ





チシマフウロ





羊蹄山避難小屋。ストックを戸の脇に立てかけて中に入ると、静かな佇まいの管理人さんがいらした。





「少し休ませてもらえますか?」と言うと、笑顔で「どうぞ」と中へ入れて頂いた。休憩利用代として、300円をお支払い。





水、食料、寝袋を持って小屋泊される方も多いとのこと。昨晩は20名が泊まられたそうだ。どうりで登っている時に、数名が下山していた訳だ。





ここの小屋は管理人さん2名が交代で、1週間ずつ泊まり込みで常駐しているそう。多くはないが寝袋のレンタルもあるそう、ゆっくり小屋泊して夕景や日の出を楽しむのも良さそうだ。





管理人の方とお話をする、ともすればぽつりと沈黙が訪れる程の穏やかな方。あんまり話しすぎないようにと気を付けながら、それでもついついこの山について、冬の様子なども聞いてしまった。冬季10月中旬から6月中旬、小屋は無人になるそうだが、バックカントリーを楽しむ方は来られるそう。冬山登山の方は雪の降り始めは大変なので、年が明けてある程度積雪してから登られるそうだ。



しっかりと補給をして、管理人の方へお礼を伝えて山頂に向かおうとする。すると「重い荷物は小屋に置いて、時計回りで山頂へ向かわれたらどうですか」とアドバイスをもらう。反時計回りより距離も時間ものびるとは思ったが、素直すぎる程にそのアドバイスに従い、最低限の装備で山頂へ向かうことにする。



登山道に戻ってすぐ、目の先にエゾシマリスを見つけた。管理人さん曰く小屋の中まで遊びにきて、ひとしきり探検して帰っていく、という程にエゾシマリスは生息しているそうだ。登山道から少しおりた茂みの中で、何かを一生懸命に食べていた。





ヒラフ下山の道標へ向かう。下山するヒラフの地名は倶知安町比羅夫(くっちゃん町ひらふ)と書く、「ヒラフ」「倶知安コース」はたまた「羊蹄登山口(バス停名)」「半月湖野営場」などいくつもあって面食らう。





山頂へ上る倶知安コースに合流すると、登山者が途端に多くなった。分岐で休憩をされている方も15名程いたと思う。





稜線に出るなり、雄大な景色が広がった。すぐ右側の側火口は母釜、子釜という名前だそう。奥にある一番大きな火口は父釡。






オノエリンドウ





登山道わきに固まって、あちこちに咲いていた。





メアカンキンバイ





火口をぐるりと歩けるし、父釡と側火口の境にもルートが見える。




あちこちを歩いている登山者を見ながら、その開放的な山容にうっとり。





穏やかな稜線を歩く。





大きなアップダウンもなく、羊蹄山の山頂についた。仰ぐ空の青さが嬉しくて堪らない。





父釜






雲のつむじを眺めて一息ついて、長居せず早々に歩き出す。





遠目から見ても分かってはいたが、山頂から真狩分岐までは岩場の続くなかなかのアグレッシブコース。時計回りだと下るようになるので、疲れ果てていた私に管理人さんが時計回りを勧めて下さった意味が分かった。





稜線にもエゾシマリスはチョコチョコと走り回っていて、とても可愛らしい。そしてとても多くの花が咲き誇っていた、羊蹄山も花の山だったんだと知る。



ハイオトギリ





エゾオヤマノリンドウ





イワギキョウ





イワブクロ





分岐から真狩、小屋の方へと下りる。





小屋に戻り管理人さんにお礼を言って、また少しお話をして下山を始めた。



キバナニガナ?





さっきエゾシマリスがいた辺り、歩を緩めてゆっくり行くとやっぱりいた。





どうやらここはあの子の縄張り、登山道はダイニングキッチンらしい。綺麗に食べつくしたハイマツの実、先には実から剥がした種の皮が落ちている。





登山道脇にあるこのハイマツの実を、エゾシマリスが食べている事も教えて頂いた。




2度目の分岐に来ると、山頂はガスに覆われてきた。





倶知安コースも登山道脇は花で溢れていた。





登山道は昨日までの雨で、ぬかるんでいたり滑りやすい岩があったりとなかなか大変。15:56発の真狩行きバスに間に合うように、緩やかになった2合目からは小走り。


「ヒッチハイクもいいんじゃないですか」という管理人さんの言葉を思い返しつつも、下山した登山者がちらほらいる倶知安登山口の駐車場を通過。車道を走ったり早歩きしたりしながら、最後は羊蹄山登山口バス停を走り去る道南バスの後姿を見送った。えっ!?と思った方の為にもう一度、バスの後姿を見送った。


8時間上って下りてした後で、最後の1時間ちょっと小走りしたというのに、間に合わなかった。計画を変更した時点できちんとタイムスケジュールを練った訳ではなかったし、小屋であれだけ休憩をしたし、当然といえば当然なのかもしれないけれど、何となく間に合うだろうと思ったのにな。


次のバスは2時間後、17:57発になる。歩いて真狩までは3時間、恐ろしく飛ばす北海道で車道歩きはしたくない、夕暮れまでここで待つ選択肢もなし、迷わずタクシーを呼ぶ。いい大人なので安全の為のお金はけちらないでおこう、でもそれなら初めから走らずにゆっくり下山すればよかった。とか散らかった思考を浮かべたまま、とりいそぎ父へ下山報告を送る。父からは登っている途中で「了解気を付けてください」という返信が来ていた、いつも絵文字満載でなごむ。


ほどなく来たタクシーに回収され、真狩登山口へ送って頂く。心を残していた十勝方面は今日も雨だったそう、振り切って羊蹄山に来て良かった。気になるタクシーの料金は3,430円だった、時間と安全を買うのは結構高い。それから「まっかり温泉」(500円)へ移動して立ち寄り湯、露天風呂から眺める羊蹄山は山頂を雲に隠していた。




温泉後は、倶知安町へ向かう。コインランドリーを探して、5日間の洗濯物を放り込む。そして「千春鮨」へと移動。駐車場どこかなと店の前で探していると、隣の敷地の三角コーンをどけて駐車場を誘導して下さったご夫婦が、お店の方だった。





回らないお寿司屋さんなんて、人生初。どうしていいものやら、きょときょと。開店直後の誰もいない店内に困って、カウンターの端っこに座る。大将とおかみさん、そして若いすし職人の3人、旅人には慣れた様子で明るく話しかけて下さる。お通しは塩うに、うには特に好きではないのに、この塩うにはとても美味しい。




羊蹄山に登ったら小屋の管理人さんが「北海道に来たら魚介を食べて下さい」と紹介して下さったと話すと、山には登らないけれども登った方の話はよく聞くと、山の話をあれこれして下さった。特上握り、ネタはどれも厚くて甘くて美味しい。




デザートにメロンまで出てきた。




「写真撮ってもいいですか?」と恐る恐る聞く私に、「いいですよ!何なら大将の写真も撮っていって!」と女将さん。大将はというと、満面の笑顔ですでにスタンバイしていた。明るくて温かくてとても楽しいひとときだった。




タクシー代よりほんの少し高かった高級お寿司、だけではお腹いっぱいにはならなかった。無事に終わった山の打ち上げをしようと、洗濯物を回収した後で、イオンで飲むヨーグルトとパピコ白桃のスムージーを調達。ちゃちゃっと打ち上げを済ませて、「道の駅230ルスツ」へ移動。フラットにならなかったフィットで最後の夜を過ごした。



-続く-


テーマ:山登り
ジャンル:趣味・実用

コメント

No title

kuuさん、こんばんは。
北海道の山旅、楽しく拝見しています。
十勝岳も登ったコースは違いますが、十分に楽しめましたか~
後方羊蹄山、以前登った時は真狩コースでしたので、倶知安コースのピストンでした。
コースは長いですよねぇ~
下山時、水分不足でふらついている方がいましたよ。
観光、食事と北海道を存分に楽しまれていますね。
羨ましいです~~

Re: No title

のぶちゃんさん、こんばんは(^^)
コメント頂いて、ありがとうございます!
北海道遠征にあたり、信ちゃんさんや、じなしさんの北海道録を食い入るように見て計画を立てました。
なのに、旭岳・十勝岳はピストンで残念だったので、せめて羊蹄山だけはと贅沢に下山コースを変えました(^^;
羊蹄山、本当に長くてキツかったです。

信ちゃんさんもすっかり山に復帰されているのを拝見し、胸を撫で下ろしています!いつまでもブログを拝見していたいので、しっかり治されて下さいね。
でももうそろそろ遠征でしょうか?どちらへ行かれるのか、私も楽しみにしています(^^)
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