北岳・間ノ岳⑦*2016.7.18

2016.07.18 22:00|山梨県
タカネナデシコ


トモエシオガマ


クガイソウ


登りきった時の空、強風と雨に打たれた岩場、いくつもの記憶を残した稜線を、何度も振り返る。


すっかり見上げる鳳凰三山、行きたい山がまた増えた。


雪渓を眺めるのも最後。


そして、渡渉が出てきた。山が終わるのを感じると、毎回寂しくなる。


オニシモツケ


足の痛みに耐えかねて、川に足を浸けたら、水の冷たさが刺すように痛くて、悶絶していた辺り。


タマガワホトトギス


キツリフネ


ホタルブクロ


拳大のキノコ、グリム童話に出てきそう。


シモツケソウ


足の痛みで踏ん張れなくて、3回転ぶ。重いザックは、後からダメージを落としてくる。


ヨツバヒヨドリですか?


やっと吊り橋が見えた。


吊り橋を渡り切り、ヨロヨロと立ちすくむ私。良く登った、ただそれだけ。


広河原からバスで出るときに、乗り場にいた職員さんが手を振ってお見送りしてくれた。山に集う人を温かく迎える南アルプス、それを象徴するようなヒトコマだった。

湯島の湯で、鏡に映る日焼けした顔に動揺しながら、4日間の溜まった何かを洗い流す。

新富士駅までレンタカーで移動して、予約していたこだまに乗り込む。名古屋でのぞみに乗り換え、22時過ぎに家に帰りついた。

-完-

テーマ:山登り
ジャンル:趣味・実用

北岳・間ノ岳⑥*2016.7.18

2016.07.18 21:00|山梨県

北岳肩の小屋(1時間33分)→二俣(2時間15分)→広河原登山口

行動時間計 3時間48分

4時すぎ、夜が明けてきた。


手早くコーヒーを作って魔法瓶へ。干飯とフリーズドライの親子丼を作り、岩に腰かけて食べながらその瞬間を待つ。辺りはこんな感じ。


鳳凰三山の奥から、朝日が登る。


鳳凰三山、富士山、北岳の裾野、雲海を携えた素晴らしいパノラマ。


地蔵岳のオベリスクがシルエットで浮かび上がる。


朝焼けの富士山。


モルゲンロートは控えめだった。


テントを撤収し、6時頃にすっかり明るくなった小屋の前で、集合写真を撮る。小屋の前は登山者で賑わっていた。一夜の酒盛を楽しんだ静岡組は、これから北岳へと向かう。


仙丈ヶ岳と甲斐駒ヶ岳を正面に眺めながら、名残惜しいが下山。


さよなら富士山。


ミヤマダイコンソウ


チングルマ


ムカゴトラノオ


テガタチドリ


ウサギギク


ヒメコゴメグサ


マルバダケブキ


青空と稜線、今日の空がこの連休で一番青い。


ぐんぐんと下っていると、雪渓が見えてきた。二俣まであと少し。


-続く-

テーマ:山登り
ジャンル:趣味・実用

北岳・間ノ岳⑤*2016.7.17

2016.07.17 21:00|山梨県
中白峰山 3,055m
間ノ岳 3,190m
北岳 3,193m

北岳山荘(28分)→中白峰山(1時間)→間ノ岳(1時間25分)→北岳山荘
北岳山荘(1時間36分)→北岳(42分)→北岳肩の小屋

行動時間計 5時間11分

深夜0時過ぎ、テントを揺らす風の音で目が覚める。外に出てみると、辺りは深い霧に包まれていた。

静まり返ったテントの間をすり抜けて、北岳山荘のトイレへ。チップ制の巨大な冷蔵庫みたいなバイオトイレは、10個以上ある個室に入ると電気が付くし、利用人数のカウントもするハイテクぶり。水ではなくてウッドチップが下の方で回転していて、臭いもしなくて素晴らしい。

耳栓をしてもう一眠り。天気予報では、午後に崩れるというので、当初の予定より出発を1時間早める。4時に起きてコーヒーとパンの朝食。風も強いので雨具とゲイターも履き、テントは張ったまま、5時過ぎにアタックザックで間ノ岳を目指す。


日の出を狙った人だろうか、もう山頂から戻ってくる人もいる。間ノ岳への往復だけの人や、農鳥まで縦走するだろう団体にまぎれて、ガスの中の稜線を歩くと、中白峰山に着いた。


登山道の両脇は岩がごろごろ。


強い風にガスが吹き上げられて、一瞬視界が晴れる。だけどまたすぐに、ガスに閉ざされてしまう。


いくつかのピークを越える、「もう二つ先のピークが間ノ岳ですよ」と爽やかなお兄さんが教えてくれる。


その言葉通りに、間ノ岳へたどり着いた。


三角点タッチもさせてもらう。


ガスが晴れるのを少し待つけど、どうやら無理そうなので、諦めて北岳山荘へ戻る。小屋の手前に張られている何張りかのテントは、強風でひっくり返っていた。アポロを気にしながらも、買い物へ。

小屋で花のガイドブック(1,000円)と、藍色の「キタダケソウ」が染められた手拭い(600円)と、山梨のワンカップワイン(500円)を買う。北岳山荘では昼ご飯をやっていなかったので、テントを撤収したらそのまま肩の小屋へ向かうことにする。アポロはしっかりと積まれた石のおかげで、飛ばされることなく、「待て」していた。

昨日歩いたトラバース道と、風の強そうな稜線道、どちらを通るか山荘のお兄さんに相談したら、「八本歯のコルから来たなら、風と濡れた岩に注意すれば、稜線道は問題ないでしょう」とのこと。

時間短縮の為、足場には十分に気を付けながら、風の強い稜線道を進んでいくと、30分ほどして雨が降ってきた。予報より早く崩れた。

もちろんたどり着いた北岳も真っ白。


昨日は見落としていた、三角点タッチ。このプレートには「白根岳」とある。白峰(しらね)三山の一番北にあるから「北岳」と呼ばれるようになったというし、白峰北岳など、名称はいくつかあるよう。


2回目なので特に盛り上がりはなかった。こんな天気に、テント背負って3,000m超えをするようになるとは、3年前には思いもしなかったこと。

ガスの中を歩いて歩いて、もう着いても良さそうと思った頃、目の前に肩の小屋が現れた。


受付でテント場(600円)の支払いをすませ、風を避けられる東側のテント場へ下り、結構傾いてる場所へ何とかアポロを設営すると、また肩の小屋へ。楽しみにしていた小屋飯ランチタイム。


おでん(500円)とカレーライス(900円)。風雨にさらされたので、凍えるまではいかないものの、温かいおでんが本当に美味しくてホッとした。

隣に座った男性は、毎年この連休中に手伝いへ登ってきているんだそう。「ここが私のピークです」、そう笑顔で話された。雨で濡れたウェアが濡らした床を拭いたり、登山靴を綺麗に並べたりと、絶えず動いているその姿をみて、山小屋とそこで働いて下さる方々へ改めて感謝の気持ちを抱いた。

日の出の時間をチェック。明日の天気は晴れ。きっと素晴らしい日の出が見られる、はず。


続いて買い物タイム。北岳山荘で手拭い買っちゃったしな、うーんと悩んで、花がたくさんプリントされたバンダナ(1,200円)を購入。


テントに戻り、北岳山荘で買った赤ワインを温めてホットワインにし、夕食までの時間をのんびり過ごす。

テントの外から名前を呼びかける声がした。静岡組も雨の中、無事にテント場に上がってきた。テントの設営をすませて、それでもまだ夕食まで時間があるので、鹿児島地鶏炭火焼きのパウチを温めて、渇き物あれこれもつまみながら、小屋で買った柑橘の缶チューハイ(500円)をちょぼちょぼ飲む。雨がぱらつくと、雨具のフードをかぶり、ここまでの道のりの話、お互いの近況なんかを話した。

小屋泊もいたので、夕食は一緒に小屋食(2,000円)をと、事前に予約してもらっていた。


ご飯も味噌汁もお変わり自由。またあれこれ話せるかと思ったら、隣に座った酔ったおじさんに絡まれる。止まらない自慢話に、適当に相づちを打つ。


傾いたテントに戻り、明日の晴れを願いながら、眠りについた。

-続く-

テーマ:山登り
ジャンル:趣味・実用

北岳・間ノ岳④*2016.7.16

2016.07.16 23:00|山梨県
近いようで遠い北岳山荘。稜線に出てから、私はずっとある花を探していた。「キタダケソウ」北岳の固有種、世界中にここにしかない花。ハクサンイチゲに似ているが、良く見ると違う、雪解けの時期に咲く花。

大きな一眼レフを持った方には「キタダケソウ見ました?」と声をかけたりもした。だけど見た人はおらず、例年より雪解けが早い今年は、もう終わってしまったのでは、という声が多かった。

シコタンソウ


タカネヤハズハハコ


ふと横を見れば富士山、いつか登りたいとは思うけれど、しばらくはまだいいかな。


アオノツガザクラ


ツガザクラ


ちょうちんが可愛い、オオツガザクラ。


植生保護区もあって、キタダケソウをさがすが、チョウノスケソウしか見つからなかった。

北岳山荘に到着、広河原の吊り橋を渡ってから、9時間が経っていた。すでにたくさんのテントが設営されていた。


確保してもらっていたテント場の端に、アポロテントを設営。明日登る間ノ岳が、すぐそこに見える。


登ってきた北岳も、どっしりとしてかっこいい。


左に北岳、右に間ノ岳、真ん中に富士山。日本の1~3位が揃い踏み。


こんな贅沢なパノラマを眺めながら、夜ご飯の支度をしていると、隣になった地元静岡の若者が「福岡から来たんですか!」と、ウェルカム肉をくれた。山良し、花良し、人も良し。南アルプス最高だな~。


干し飯にフリーズドライの牛とじ丼。あとは焼き鳥軟骨のパウチをつまみに、ハイリキをちょぼちょぼ飲む。


北岳山荘では、ハイリキ(300円)よりペットボトルのカルピスウォーター(400円)の方が高かった。でも水はタダで有り難い。テント場代(800円)を支払い、「キタダケソウは?」と聞いてみたが、今年は登山バスが始まる頃にはもう終わっていたらしい。「また来年来て下さい」と笑顔で言われた。

夕暮れに焼けていく富士山。


少しずつ暮れていく空と、日本アルプスの山並み。


雲が多くて、夕陽は捉えられなかった。


ダウンの上下を着込んで、大きな石に腰を下ろして、夜に向かう空をいつまでも眺めていた。


-続く-

テーマ:山登り
ジャンル:趣味・実用

北岳・間ノ岳③*2016.7.16

2016.07.16 22:00|山梨県
垂直に木段を登っていく、始めは手すりを掴んでいたが、後の方は四足歩行状態でよじ登る。
そうやって上がりきった八本歯のコル。南アルプスの稜線は、微笑んでいた。



青い空と白い岩肌、そして緑に覆われた山、美しい。


北岳バットレスもガスの合間から顔を覗かせた。


振り返る八本歯の頭の横には、雲に浮かぶ富士山が見えていた。


厳しい岩壁にぽつんとチシマギキョウ。


大きな岩の上を縫うように登ると、北岳山荘へ向かうトラバース分岐に着いた。ここで、母の持たせてくれた最後の弁当を食べる。


大山で買った梅干しを入れてくれたジャンボおにぎり、卵焼き、ウインナー、そして唐揚げ。目を上げると、富士山。弁当に目があるわけじゃないけど、どうしてもこの景色を見せたかった。


天気が崩れるだろう明日を考えて、ここから単独で北岳のピストンへ向かう。気力も体力も十分、アタックザックで身軽になって、これなら行けるはず。

ミヤマクワガタ


キンロバイ


イワベンケイ


ハハコヨモギ


ミヤマオダマキ


イワカガミ


ウラジロキンバイ


ハクサンイチゲ


チョウノスケソウ


エクストリームアイロニングの方とすれ違う。Tシャツにエアアイロンをかけるそう。見事にパッキングされたアイロン台、写真撮れば良かったなぁ。


オヤマノエンドウ


花に励まされてたどり着いた、日本第2位の高峰、北岳山頂、3,193m。


振り向くと美しくそびえる富士山。


青空から降り注ぐ陽射し、稜線の下は見事な雲海。この景色を見たかった。


居合わせた人達が、順番を守って、笑顔で写真を撮り合う。私も1人でその輪に入れて頂く。登頂の喜びをみんなが分かち合う、とても温かな時間だった。


イワツメクサ


ミヤマシオガマ


タカネコウリンカ、蕾は紫黒色、この色合いがシャープで好き。


デポしたザックを、半ばため息をはきつつ背負う。遠くに本日の幕営地、北岳山荘が見える。もう少し、頑張ろう。


ムラサキタカネアオヤギソウ


ミヤマムラサキ


一気に人が減ったトラバース道を進む、もうすぐ着くという安堵感と達成感に満たされていた。


ハクサンフロウ


シナノキンバイ


どこまでも続く花回廊。幕営地がもうすぐというのに、足を引き留める可愛く美しい花達。


この重いザックを降ろすまで、もうあと少し。

-続く-

テーマ:山登り
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